レッドブル・エアレース2016千葉大会リポート

究極の三次元モータースポーツ「Red Bull Air Race(レッドブル・エアレース)」が昨年に引き続き、日本に上陸しました。アジア初のエアレースパイロット室屋義秀選手に表彰台の期待がかかったエアレース・ワールドチャンピオンシップ2016第3戦千葉大会は千葉県幕張海浜公園で、6月4日(土)予選、5日(日)決勝レースを開催。両日合わせて約10万人が来場し、劇的な結果に大歓声が轟きました。

開場前から長蛇の列で、朝10時の入場とともに次々と砂浜にダッシュ! しかし、パイロンも潰れるほどの強風と高波により、4日の予選は12時に中止のアナウンスが…。翌日の決勝の朝も天気予報どおりの雨でしたが、10時には青空が見え始め、無風状態の絶好のレース日和になりました。きっとみんなの祈りが天に届いたんだね!


AVIREXはセンターゲート前にブースを設置。エアレースのスタッフユニフォームのレプリカやエアレースパーカ、Tシャツ、パイロットベアを販売。ブース横には黄色の小型機「AVIREXマイクロプレイン」を展示。また、AVIREXが所有しているドイツの航空機メーカー「メッサーシュミット社」が開発したタンデム(2人乗り)のメッサ―シュミットにお子様を乗せて写真撮影などイベントを行い、たくさんのお客様で賑わいました。

穏やかな天候の幕張海岸で繰り広げられた千葉大会決勝戦。予選無しの一発勝負の決勝です。会場にはパブリックビューイングが設置され、観客席にも大きなディスプレイビジョンが何台も設置され、AVIREXのCMも流れました。千葉大会のレーストラックの平均周回タイムは約1分。そのタイム計測の基準点となるスタート/フィニッシュゲートは、レーストラックの中央に設置されています。AVIREXのパイロンにお気づきになりましたか?


5万人の来場者が見守る中、マスタークラスの「ROUND OF 14」が13時過ぎにスタート。
予選が行われなかったことで、マッチアップは現在のワールドランキングに応じ、1位と14位、2位と13位の選手が対決していくというものに。室屋選手は現在11位なので4位のピート・マクロードン選手との戦いです。ヒート1ではピーター・ポドランセック選手とカービー・チャンブリス選手が対戦。ポドランセック選手は7番目のゲートでパイロンヒットしてしまう波乱の幕開けで、経験豊かなチャンプリス選手が勝利。ヒート2は我らがヒーロー室屋義秀選手の登場。しかし「スモークオン」しないトラブルに見舞われ、実況のクリス・ペプラーからも観客全員からも悲鳴のような声が…。ペナルティ1秒が加えられ、誰もが諦めの気持ちになりましたが、相手のピート・マクロードン選手がパイロンを水平に通過しなかったり、最大荷重が10Gを超えるペナルティが重なりDNFとなり、室屋選手の勝利! 会場は打って変わって安堵の声が上がりました。ヒート3では超ベテランのナイジェル・ラム選手が安定したフライトで勝ち残り、ヒート4でマルティン・ソンカ選手が巧みなシケインワークで最速記録を叩き出し、ヒート5ではマット・ホールがノーペナルティで勝ち抜け。ヒート6はアブダビ大会で優勝したニコラス・イワノフ選手が体調不良でまさかの棄権で、ノーペナルティのフアン・ベラルデン選手が勝利。最後のヒート7では現在ワールドランキング1位のマティアス・ドルダラー選手が素晴らしいフライトでペトル・コプシュタイン選手を退けました。
「ROUND OF 14」の結果により、「ROUND OF 8」に進出した8人のパイロット。まずは今シーズンを最後に引退を表明しているラム選手と「ROUND OF 14」の敗者の中で最も好タイムだったアルヒ選手が対戦。ラム選手がいぶし銀といえるテクニカルな飛行で勝利。
そして、いよいよ室屋選手と優勝候補筆頭で今シーズン絶好調のドルダラー選手の戦い。会場にいるスタッフおよび観客全員が手に汗握る展開に。室屋選手が気合いみなぎるフライトで素晴らしいタイムを叩き出すとドルダラー選手が途中までそれを上回る速さで追い上げ、もうダメか~と誰もが思った瞬間、オーバーGでDNFとなり、緊張が途切れた会場に再び大きな歓声が轟きました。続いてチャンブリス選手がノーペナルティのフライトで勝利。最後はヴェラルデ選手とソンカ選手が対戦。ソンカ選手が「ROUND OF 14」同様に好タイムを記録して勝ち上がりました。

そして、ラスト「FINAL 4」。会場全体が室屋選手の勝利への期待を祈る中、母国開催という大きなプレッシャーを撥ね退け、期待に応えるべく、これまでで最高のフライトを繰り広げ、1:04.992という好タイムを記録。隙のないラム選手とチャンブリス選手、好調なソンカ選手を退け、室屋選手が見事、劇的な初優勝を果たしました。自身のフライトを終え、残り2選手の結果をハンガーで見守る室屋選手は優勝が決まった瞬間、チームスタッフたちと抱き合って歓喜の涙を流していました。

レース終了後、記者会見が行われ、室屋選手は高まる気持ちを抑えながら、「ソンカ選手との0.1秒差はファンの方々の後押しで成し遂げられました。競り勝てたのは、自分の力だけじゃなくて、皆さんの力があったから。そのおかげでリラックスすることができ、結果が出せたんだと思います。母国でのレースでプレッシャーも大きい中、メンタルトレーニングもして、100%の努力をし、あとは神頼みでした。その結果、チームがベストを出せた。個人としては操縦技術世界一を目指してやってきて、25年の間、届きそうで届かなかったことがようやく達成できました。」と話されました。

予選中止という予想外の開催となり、エアレースジャパン実行委員会のスタッフたちも緊張と不安の中、AVIREXがナショナルスポンサーとして千葉大会のために制作・提供したスタッフジャンバーとポロシャツを着て、皆さん、広い会場内を駆け足での大活躍でした。 第4戦はハンガリーのブタペストで開催されます。千葉大会の優勝で室屋選手のランキングも11位から一気に4位に上がりました。最終戦が終わったあと、シーズン表彰で室屋選手が1つでも高い表彰台に上がることをAVIREXは大空に祈っています。